夏休みも……秋だって、そして冬だって……熊本の観光名所として、突出した人気を誇るのが阿蘇でしょう。
熊本にはたくさん郷土料理がありますが、阿蘇と言えば「高菜めし」。
高菜チャーハンでもない、高菜ピラフでもない、元祖の高菜めしを味わうなら、ぜひ阿蘇へ!
阿蘇への観光旅行者のお目当ての中にも、「高菜めしを食べる!」が、実は多いらしいわよー。
高菜めしの元祖
高菜めし発祥の店
阿蘇市内を走る豊肥本線・市ノ川駅前。
駅に隣接する「あそ路」が高菜めし発祥の店と言われています。
高菜めしの起源について調べてみると……昭和43年あそ路の開店時に、初めて商品化された高菜めしが阿蘇界隈、そして熊本県内へ徐々に広まったとされているのが有力説。
ということは、高菜めしは今年で、ちょうど誕生50周年になるわね。
高菜めし誕生のきっかけは……あそ路の初代店主が、店の看板商品のひとつとして、店主のお母さまが日常的に作っていた家庭料理である高菜めしを採用したことから、らしいです。
阿蘇地域の名産であった高菜を使った素朴な家庭料理が、やがて県内各地でも食される伝統料理になるなんて!
今でこそ、県外でも高菜めしが食べられるようになっていますが、“元祖”の味は阿蘇産の高菜でしか味わえません。
定番メニュー
あそ路では、前菜から高菜漬けが登場♪
ワタシは先日、、、王道の王道、「高菜めし」をオーダー。
豚汁も単品でつけてみました笑。これで……875円。
酢が利いたごはんに、歯ごたえの良い高菜のほどよい塩加減。
「甘じょっぱい」。で、サラッとした食感。
シンプルで美味しい。
“元祖”の実力を堪能いたしました♪
ちなみに、フルコースで熊本郷土色を味わうなら「たかなめし定食」もオススメ。
お汁(だご汁か豚汁かが選べます)、ホルモン、季節の小鉢、お漬物が付いた、満足セットです!
その他のメニュー
ご覧のメニュー以外にも郷土料理も揃っているわ。
高菜めしあれこれ
高菜めしの基本的な作り方
高菜めしが、高菜チャーハンとも、高菜ピラフとも違うのが、ごはんは炒めず、「混ぜる」だけという点。
作り方はいたって簡単……
- じっくり漬け込まれてベッコウ色になった「古漬け」と呼ばれる高菜を油で炒める
- 錦糸卵、ゴマ、海苔などをトッピングして、味わいと色合いを整える
- 白ごはんに混ぜれば、ほら、もう完成!
家庭料理から生まれたレシピだけに、さっとできる手軽さがありながらも、一方で、しっかり漬け込まれた高菜を使う隠し味が、高菜めしの「基本」なのでしょう。
高菜のピリ辛&シャキシャキ
高菜は小松菜の仲間。学術的にはアブラナ科の植物、カラシナの一種とされます。
茎が細く、シャキシャキとした食感と、ピリ辛が特徴。
この“ピリ辛”ですが……もともと、高菜は西アジアや北アフリカが原産地で、香辛料(黄ガラシやマスタード)の原料として流通した作物だったと聞けば、納得するわね。
その後、正確な時期は不明なもの、九州をはじめとする西日本に広まったとのこと。
では、なぜ、阿蘇産の高菜が美味しいのでしょうかー!?
山の気候の特色でもありますが、とくに阿蘇は一年で寒暖の差が大きく、植物が育ちやすい気候であり、加えて、火山灰由来の土壌にも、阿蘇産の高菜が美味しく育つ秘密があるようです。
県内、県外にも「高菜」と呼ばれるものが存在しますが……阿蘇産の高菜は他とは比べものにならないくらい、シャキシャキ感がダントツ!
高菜の栄養価
高菜はベータカロテンが豊富な緑黄色野菜で、免疫機能を高めてくれます。
ピリ辛の要素であるイソチオシアネートと呼ばれる成分は、ガン抑制の効果もあるそうよ。
阿蘇高菜の収穫は、例年3月中旬から4月にかけて。
つまり、ちょうど春の訪れのタイミングから、美味しい高菜が出始めるのね。
ちなみに、阿蘇高菜の収穫は機械を使わずに、農家の方々が茎を手でポキポキ折りながら進めるそうで、収穫作業は「高菜折り」って言われているらしいわ。
シャキシャキ感を損なわないように、丁寧に収穫されるのも、阿蘇高菜の美味しい理由の一つに挙げても良いのかもしれません♪
高菜のいろいろ
高菜商品
阿蘇をはじめ、県内のおみやげ屋さんでは、阿蘇高菜のパック商品(高菜漬け)など、関連商品がお買い求めできます。
その中でも、阿蘇高菜のピリ辛を活かしたレア商品として、阿蘇の農家の方が開発したマスタード商品、「タカナード」をお試しいただきたい!(※ワタシも購入経験あり)
マスタードのナチュラル版……というか、カラダに良さそうな辛さ笑。
タカナードは平成28年度の食品コンクールで、農林水産大臣賞をもらった逸品です!
高菜料理の応用編?
高菜めし以外で、よく見掛ける「高菜●●」では……高菜ラーメンがメジャーかも。
でも個人的には、これはあくまで、高菜めしの応用バージョンのような気がします笑。
そもそも、熊本県内の飲食店では、麺類メニューに「高菜めし付き」というセットも多いことから……
高菜めしは、高菜+白ごはん、が相場で、この組み合わせこそ、熊本県のソウルフードと言えるはず!
阿蘇に伝わる家庭料理「高菜めし」
阿蘇に伝わる家庭料理「高菜めし」。
正直なところ、派手さはありません笑。
それなのに……阿蘇の雄大な自然で育てられた、“阿蘇ブランド”と、他県産にないシャキシャキ感が、高い支持を得ているのだと思います。
阿蘇に行くなら、高菜めし発祥店のあそ路に立ち寄り、元祖の味に触れてみて!
≪お店情報≫
店名:あそ路
住所:熊本県阿蘇市的石1476-1
※国道57号線のJR市ノ川駅交差点そば
電話:0967-35-0924
営業:11:00~15:00
[サラミ]
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