『不知火』という漢字を読めるだろうか?私が初めてこの漢字に出会ったのは中学1年の時だ。学校や塾で習ったのではなく、『餓狼伝説』という格闘対戦ゲームに『不知火舞』という女性キャラクターが出てきていたのだ。不知火流忍術を継承するくノ一で、大きな扇子を使い火を放ちながら戦う姿が今も目に焼き付いている。さて、あの漢字の読み方だが、『しらぬい』と読む。この熊本には、この不知火という地名がある。海の上にできる蜃気楼を不知火と読んでいて、その現象がよく出現する地域を不知火と名付けたという説がある。今回は、そんな神秘的な自然現象がよく似合う県央エリアのご紹介。(上記の写真は、不知火町にある神社の夜景(キロクマさんより))
【県央エリア】
・宇城地域:2市1郡1町
→宇土市/宇城市/下益城郡(美里町)(旧下益城郡であった熊本市富合町・城南町域が含まれることもある)
・上益城地域:1郡5町
→上益城郡(御船町・嘉島町・益城町・甲佐町・山都町)
先日、明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録された、九州・山口と関連地域だが、実は熊本には2つの場所が世界遺産に登録された。1つは先日ご紹介した万田坑。そして、もう一つが上記写真の三角西港だ。異国情緒漂う石畳と白い建物が特徴だ。休日には近所のおじさんたちがここで釣りを楽しんでいる風景がのほほんとしていて癒される。
この地域には他にも、江戸時代に石を積み上げて作られた橋がある。なんとこの橋は水路となっていて橋のど真ん中から放水が可能なのだ。昔干ばつで困っていた人たちが知恵を絞ってこの橋を作り田畑に水を引いたそうだ。放水も圧巻だが、石の積み上げ方にも注目してもらいたい橋だ。
またこの地域には、伝統芸能も残っているのだ。文楽という人形と浄瑠璃を組み合わせたお芝居で、『清和文楽』と呼ばれている。清和文楽館では、文楽の歴史の紹介資料が見れたり、実際に文楽の上演を観覧できたりするのだ。
この地域の見どころ
うと地蔵祭り、御輿来海岸(おこしきかいがん)、長部田海床路(ながべたかいしょうろ)、住吉自然公園、轟泉水道と轟水源、船場橋界隈、宇土城址、立岡(たちおか)自然公園、向野田古墳、晩免古墳(ばんめんこふん)、曽畑貝塚、宇土市大太鼓収蔵館、三角西港、不知火町の白壁土蔵、風の館 塩屋、宇城市の石橋、永尾神社(えいのおじんじゃ)、誉が丘公園、松合郷土資料館、舞鴫(もうしぎ)文殊堂、塔福寺、竹崎季長の墓、岡岳アドベンチャーパーク、戸馳花の学校、峠の岩清水、元気の森かじか、緑川ダム、御坂遊歩道(日本一の石段)、ガーデンプレイス・家族村、通潤橋、六嘉湧水群・浮島、浮島熊野座神社、吉無田水源、五老ヶ滝、清和文楽館、幣立神宮、清和高原天文台、そよ風パーク、蘇陽峡、御船町恐竜博物館、サントリー九州熊本工場 など
この地域のグルメ
網田ネーブル、海苔、あさり、マテガイ、甲イカ、うと餅、小袖餅、干し柿、不知火(デコポン)、れんこん、かぼちゃ、豆腐の味噌漬け など
この地域もじっくりゆったりと散策しながら回るといろいろな発見がある地域だ。熊本に来た際に、もし時間に余裕があるならこの地域を散策してみてはいかがだろうか?ディープな熊本を再発見できること間違いないだろう。
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