出典:銀座熊本館
熊本には、全県民が食べたことがあると言っても過言ではないふりかけがある。
その名も「御飯の友」だ。
よく耳にする言葉だが、名前の通り、御飯によく合うふりかけなのだが、ただのふりかけではなかったのだ。
今回は、そんな熊本県民に長く愛されてきたフタバのふりかけ「御飯の友」の意外な歴史を紐解いていこう。
実はふりかけ発祥の地だった!熊本県!
「御飯の友」が元祖ふりかけだった!
出典:九州朝日放送
大正時代の初期、日本人にカルシウムが不足していた最中、熊本の薬剤師吉丸末吉が、カルシウムを補うため、魚の骨を粉にして御飯にかけて食べるという、まったく単純な発想にたどりつき「御飯の友」を開発した。
さらに
ふりかけの起源については、美味滋養を目的として大正時代から昭和初期にかけて数ヶ所で考案されたといわれており、業界団体の全国ふりかけ協会では、熊本県で売り出された「御飯の友」という商品を、ふりかけの元祖として認定している。
と記載されていた。
さらにさらに!
あの「のりたま」の生みの親も熊本人だった!
あの大ヒット商品、丸美屋食品工業の「のりたま」にも熊本や「御飯の友」が関連しているのだ。
御飯の友が誕生したのは大正初期、それから数年後の大正14年(1925)、熊本から福島市に移り、食料品店をしていた甲斐清一郎氏が白身魚を乾燥させ粉砕して昆布や醤油ベースの調味料で煮込んで乾燥させ、海苔やごまを加えたふりかけを作り、「是(これ)はうまい」と名付け販売。
その後、東京へ進出し本格的にふりかけ事業を展開した。これがあの大ヒット商品「のりたま」になったのだ。
資料を読む限りでは、「御飯の友」の発明者の吉丸氏と「のりたま」の発明者の甲斐氏との間には接点は見つけられないのだが、時期や商品内容が酷似していることから、おそらく吉丸氏の「御飯の友」の影響を受けて甲斐氏が「是はうまい」を開発したとされる説が有力になっているのだ。
つまり、世界で初めてのふりかけは熊本の地で発明されたということは間違いないのだ!
なんと!全世界のふりかけの元祖がこの熊本で生まれていたとは!
意外にすごい歴史を持っている熊本県。
しかも、この事実を熊本県民に聞いても、ほとんどの人が知らなかったのだ!
もっと自慢していいぞ!熊本県民!もっとアピールしていこうよ!
大正時代のふりかけの味
出典:さっかんの小部屋
おすすめの食べ方
出典:365style.biz
おすすめの食べ方はなんといってもアツアツの炊きたてごはんにかけて食べるシンプルな食べ方。
これが一番ふりかけの味を楽しめるのだ。
味は、正直、「すごく美味い」と感じるものではないのだが、素朴な昔ながらの味が後を引くのだ。
いろんな食べ方
出典:おまスキャ
アツアツのごはんにかけて食べる他にも、いろいろな食べ方ができるようだ。
裏面には、卵焼きや納豆、チャーハンに混ぜるレシピが紹介されている。
他にも、卵かけご飯とともにたべたり・・・
出典:食いしん坊シモさん
納豆と一緒にパスタで食べたり・・・
出典:楽天レシピ
トーストでマヨネーズと一緒に食べたり・・・
出典:楽天レシピ
アレンジは無限大なので、いろいろ試して欲しい!お茶漬けも結構イケるぞ!
主原材料はいりこ
出典:おまスキャ
裏面を見ると原材料が書いてあるのだが、主成分は今もいりこを使っているのだ!
「人々のカルシウム不足を補いたい」という想いが今も継がれているのだ!
売っているお店
熊本県内や九州内であれば、普通にスーパーで買えるが、遠方の人にはインタネットでも通信販売しくれるのだ!
製造会社の株式会社フタバ
熊本県熊本市西区島崎にある大正初期創業のふりかけの老舗。
魚嫌いな子供でもおいしくカルシウムをとってもらいたいと願い、日々「御飯の友」を販売製造されている会社だ。
「のりたま」は小さい頃から好きでよく食べていたのだが、その元祖がここ熊本だとは知らなかった。
しかも、あの何の変哲もない素朴な味の「御飯の友」がふりかけの元祖だとは思いもよらなかった。
そして、「人々の健康に寄与したい」という熱い思いが未だに受け継がれている所に感動する。
やはり熊本はすごいところだ。
取材者&ライター |