熊本の玄関口の一つ「熊本駅」。
さまざまな取り組みや試行錯誤を経て今の熊本駅があることをご存知でしょうか?
今回は熊本駅、熊本駅周辺の移り変わりをご紹介します。
熊本のターミナル駅「熊本駅」
県内外の多くの人々が利用する、熊本のターミナル駅「熊本駅」。
多くの県庁所在地にあるターミナル駅といえば、地域の中でも活気があり賑わいを見せている場所の一つです。
しかし熊本駅周辺は、お世辞にも「活気がある」とは言えませんでした。
駅周辺には商業施設がなかった
九州新幹線の停車駅であり、豊肥本線・鹿児島本線という基幹ラインのターミナル駅でありながらも、駅周辺には大きな道路と高層マンション。人が集まるような場所はありませんでした。
また、熊本で一番活気のある繁華街いわゆる「まち」や、熊本城などからも2kmほど離れていて人が集まる場所というより、交通機関というだけのものでした。
高架化プロジェクト始動
熊本市は、1人1台車を持つといわれるほど「車社会」です。多くの場所で渋滞に悩まされることもしばしば。
そこで、さまざまな問題を解決すべく「在来線高架化プロジェクト」が始動しました。
プロジェクトは着々と進み、2018年3月17日からJR線の全ての電車が高架線路を走るようになりました。
熊本駅の新駅舎完成
明治24年の開業後、大正3年に二代目、昭和33年に三代目の新築・改築を経て、平成31年3月に四代目の熊本駅新駅舎が完成しました。
新駅舎のデザインは安藤忠雄氏が手掛けており、熊本城の強くて美しい石垣「武者返し」の反りをイメージしたといわれています。
白川口の駅前にはゆったりと広場が設けられ、普段は居心地の良い玄関口として、イベントの際にはイベント会場として熊本駅を盛り上げています。
さらに、駅前広場には大きな屋根が設置されており、雨の日にも濡れずに路面電車やタクシー乗り場へ行くことができるようになったことも、日常的に熊本駅を利用する人や観光客に嬉しいポイントです。
つながる白川口と新幹線口
以前から熊本駅で他県民を悩ませていた出口の分かりにくさ。
白川口(東口)と新幹線口(西口)の間に線路があり、わざわざ地下通路を通らなければ移動できませんでした。
しかしこの問題が、高架化のおかげで解決されたのです。出口の間にあった線路がなくなり、1階での行き来ができるようになりました。
肥後よカモン市場
さらに、食事処や土産物店が軒を連ねている「肥後よかモン市場」が開設され、観光客はもちろん、多くの熊本県民も利用しています。
手前のエリアでは、さまざまな熊本の郷土料理、馬刺し、辛子蓮根、老舗の和菓子や洋菓子、熊本銘菓を購入することができます。
さらに、奥のエリアでは、九州や熊本のグルメや地酒などをゆっくりと味わえる飲食店が立ち並びます。
ちなみに入口では駅長さんの制服を着たくまモンがお出迎えしてくれます。
アミュプラザ熊本誕生!
2021年4月には熊本駅のすぐ隣に大型複合ビル「アミュプラザ熊本」が誕生しました。
ビル内には、ファッション・雑貨・飲食店、さらにホテルや結婚式場なども入っており、「博多駅ビル」に次ぐ九州圏内では2番目の規模です。
初年度はコロナ禍のオープンということもあり、目指していた来場者数には届きませんでした。
しかし2022年は行動制限の緩和や駅前広場や館内でのイベントなどで、徐々に来場者数を伸ばしていっています。
副都心をめざす熊本と熊本駅に期待
在来線の高架化による渋滞緩和や大型駅ビル「アミュプラザ熊本」の誕生と、熊本駅周辺の人の流れを変えるプロジェクトが次々に行われている熊本駅。進化を続ける熊本駅に今後も期待しています。