熊本城は、日本三名城のひとつであり、加藤清正が慶長6年から7年にかけて築城した豪壮雄大な天下の名城です。広大な城域は98ha、周囲5.3Kmに及び、大小の天守閣や櫓、城門など、防御力を強化した要塞としても知られています。また、熊本城は「武者返し」と呼ばれる独特の石垣や、本丸御殿の豪華な装飾、銀杏城としても有名です。現在は、美術館や広場などの施設もあり、春は桜の名所としても知られています。展望ロビーからは熊本市を一望でき、夜にはライトアップされた熊本城の美しさも楽しめます。
熊本城の歴史
熊本城は、加藤清正が藤堂高虎や馬場信房と共に、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて築城されました。その後、加藤家2代、細川家11代の居城として続き、明治10年の西南戦争では、薩摩の大軍を迎えて50余日の籠城に耐え、難攻不落の名城の真価を発揮しました。
しかし、薩軍総攻撃の3日前、原因不明の出火により、宇土櫓はじめ11棟を残し主要な建物を焼失してしまいました。現在の天守閣は、市民の浄財を基に再建されたものです。歴史の重みを感じさせる宇土櫓に対して、本丸御殿のいでたちは豪華絢爛。1998年にスタートした熊本城の復元整備計画により復元された建築物の中で、最も人気を集めている建造物といえます。
熊本城の特徴
熊本城の特徴といえば、戦を想定したさまざまな防衛機能を備えていること。敵の侵入を防ぐための大きく反り返った急勾配の石垣「忍び返し」が特に有名ですが、その他にも地下通路があったり、籠城が可能な設備を備えていたりと、色々な工夫がされています。
また、天守閣の南東側に位置する本丸御殿は、藩主の居間や対面の客間、茶室などがあり、美しい彫刻や漆塗りの壁など、豪華な内装で知られています。
石垣と建築様式
熊本城の見どころは、石垣や建築様式にあります。城内には、「清正流石組」といわれる大胆かつ精巧な造りで、幾重にも連なる石垣群が美しく存在しています。中でも、堅牢たる要塞を象徴する「忍び返し」と呼ばれる反り返った石垣は、石垣の名品として有名です。また、四面に配した「千鳥破風」と最上階の南北につくられた「唐破風」は、熊本城の建築様式の魅力の一つであり、独特な雰囲気を醸し出しています。
天守閣
天守閣は、大小2つあります。大天守は三層六階地下一階、小天守は二層四階地下一階となっており、最上階は展望台になっています。天気が良ければ、遠く阿蘇の山々まで見渡せます。また、天守閣の内部は、熊本市立熊本博物館の分館として、熊本藩主だった加藤家や細川家ゆかりの品々や、西南戦争の資料などが展示されています。
本丸御殿
本丸御殿は、熊本城築城400年記念事業の一環として、築城当時の状態に忠実に復元されました。最大の見どころは、豪華絢爛な金色に輝く「昭君之間」で、正面に描かれた中国・漢の時代の宮女・王昭君をモチーフにした障壁画が目を引きます。また、天井には格子状に配置された60枚の天井画が並び、金箔に彩られた空間は、まさに華麗なる大名の暮らしを彷彿とさせるものです。
まとめ
熊本城は、石垣や建築様式、天守閣や本丸御殿、そしてライトアップされた夜景など、数多くの魅力があります。中でも、「清正流石組」といわれる石垣群は、壮大な城郭を今に伝える生き証人として、多くの観光客を魅了しています。熊本に来られましたら是非、熊本を代表する観光スポット「熊本城」へ足を運ばれてみては!