機関車と言えば、一番有名なのは「機関車トーマス」ではないだろうか。あれはイギリスの子ども番組のキャラクターで少し不気味な顔の機関車たちがいろいろな騒動を起こすアニメーションだ。なぜ蒸気機関車に顔をつけて擬人化したのかは謎だが、きっと蒸気機関車に対する郷愁の思いがあったのではないだろうか。私たち日本人も蒸気機関車を見るとワクワクして思わず写真を撮ってしまう。その点ではアメリカも日本も蒸気機関車に対する思いは似ているのかもしれない。今、そんな蒸気機関車が全国的に復活してきているのをご存じだろうか?ということで、今日は熊本の蒸気機関車についてご紹介。
日本最古参の現役蒸気機関車「SL人吉」
出典:JR九州
SL人吉とは?
SL人吉(エスエルひとよし)とは、九州旅客鉄道(JR九州)が、毎年3月から11月までの金・土・日・祝日と夏休み期間中に1日1往復のみ限定で運行している蒸気機関車牽引の臨時快速列車のことだ。
牽引している蒸気機関車(SL)は、現役の蒸気機関車(SL)の中で日本最古の蒸気機関車(SL)で大正時代に製造されたそうだ。牽引機として活躍する8620形は、日本で初めて量産された国産旅客列車牽引の蒸気機関車(SL)で「ハチロク」という愛称で当時は人気を博した。現在は鹿児島本線・肥薩線の熊本駅~人吉駅間を運行していて、マニアはもちろん多くの人々に人気の列車だ。
このSL人吉は、蒸気機関車(SL)が3両の客車を牽引している。全体的に「レトロ和モダン」をイメージした車両で、1・3号車に展望ラウンジ、2号車にはビュッフェが設置されている。いわゆる汽車の音と汽笛の響きを耳にしながら、球磨川や美しい田園風景が車窓に映り、昔懐かしいSLの旅が旅情を豊かにしてくれる。
SL人吉が生まれるまで
出典:【SL人吉】熊本駅‐人吉駅、日本三大急流球磨川を駆け上り下る! Steam Locomotive Hitoyoshi.
元々は、熊本県人吉市のSL展示館に保存されていた機関車(SL)を修復し、1988年8月に熊本駅~宮地駅の間を運行する快速列車「SLあそBOY」として使われ始めたが、人吉市に保存されていたということもあり、「SL人吉号」として年間数日だけ人吉駅発着で運行していた。つまり「SLあそBOY」≒「SL人吉号」ということだ。この状態が2005年まで続いていたようだが、同年3月に故障してしまい、修復不可能ということで、一旦この機関車は姿を消す。しかし、「あの機関車をもう一度動かしたい」という熱い思いで、なんとか修復され、肥薩線開業100周年にあたる2009年4月に「SL人吉」として見事復活!現在に至るということだ。
のどかな車窓とノスタルジックな車両
出典:デジカメつれづれ日記3
展望ラウンジ(3号車)
出典:JR九州
展望ラウンジ(1号車)
出典:フォートラベル
車内
出典:MAKIKYUのページ
出典:歩くタケシの旅生活
ビュッフェ(2号車)
出典:山と鉄道のある風景
SL人吉の体験レポ動画
私が実際に乗ってレポートしている動画ではないのだが、Youtubeに動画があったのでご紹介。
停車駅と運行状況
出典:JR九州
停車駅と発車時刻
下り(熊本駅→人吉駅)
熊本駅(9:45)→新八代駅(10:25)→八代駅(10:36)→坂本駅(10:51)→白石駅 (11:23)→一勝地駅(10:48)→渡駅(11:58)→人吉駅(12:09)
上り(人吉駅→熊本駅)
人吉駅(14:38)→渡駅(14:48)→一勝地駅(15:07)→白石駅 (15:30)→坂本駅(16:08)→八代駅(16:25)→新八代駅(16:30)→熊本駅(17:14)
運行状況
3月から11月までの金・土・日曜日・祝と夏休み期間中に1日1往復のみ運行。
※平成28年度は11月20日(日)までの運転なのでご注意を。
きっぷ情報
全車座席指定席で、大人一人様片道あたり、乗車券1770円+座席指定券800円=2570円だ。子どもは大人の半額で乗ることができるので、乗車券910円+座席指定券410円=1320円ということになる。
予約方法
電話で予約
JR九州案内センター 050-3786-1717
ネットで予約
JR九州の列車予約サービスで出発駅に「熊本」、到着駅に「人吉」と入力後、日時のところの時間を「9:45」と設定し検索するとSL人吉がヒットするはず。注意しなければならないのが、SL人吉以外の経路も出てくるので、必ず「SL人吉」という文字の所の経路で申し込むことだ。
※きっぷ購入や予約は早めにすることをおすすめする。かなり人気の列車なので、1ヶ月前には満席になる時期もあるので、旅行の2ヶ月以上前に予約するようにしたいところだ。
人吉で楽しんで欲しいこと
出典:【SL人吉】 大正の汽笛が鳴り響く!迫力の人吉駅発車シーン / JR九州
SL人吉は熊本駅から人吉駅までの約2時間半の旅だ。人吉駅に着いたら、ぜひ下車して駅と人吉の町を楽しんでいただきたい。SLもレトロだが、この人吉駅と町もすごくノスタルジックで散策にはもってこいなのだ。
SL人吉の発車シーン
人吉駅では、SL人吉の発車シーンが見れるぞ!迫力満点だ。
出典:【SL人吉】 大正の汽笛が鳴り響く!迫力の人吉駅発車シーン / JR九州
人吉駅の駅弁
出典:TRGA
駅弁界の人間国宝と言われる菖蒲豊貫さん(72歳)が「べ~んとう、弁当~栗めし~、鮎ずし~」と声を張り上げて駅弁を売っている。なんと47年間もの間、駅弁を売り続けているという。お客さんの中にはこのおじさんからお弁当を買いたくて全国から駆け付けるお客さんもいるのだという。名物は栗めしと鮎すしだ。両方食べたが、両方うまかったぞ!ぜひご賞味あれ!
出典:たびらい(駅弁栗めし)
人吉駅のからくり時計
出典:自然も歴史も大好き『マッターホルン』男の旅日記【待った・放るん】
人吉駅を降りると、全国的にも珍しいからくり時計がある。時間が来るとからくり人形が動き出すのだが、この時計台の四方向すべてで動きがあるので、からくり人形に合わせて見物客がゾロゾロと移動する様が面白い。時間帯によってはこのからくり人形や人吉の歴史を説明してくれるおじさんが現れる。そのおじさんもかなり強烈なキャラでおもしろい。ぜひ、見てみて欲しい。
人吉の街並み
出典:合宿免許プラス
人吉の街並みは、城下町だったということもあり、かなり風情のある街並みが多い。また温泉地としても栄えていたので、寂れた温泉街のレトロ感も味わえる。散策するにはすごくおすすめだ。のんびりゆったりとアテもない散策をして癒やされるのも悪く無い。
人吉の散策についてはまた後日別の記事でご紹介する予定だ。
終わりに
いかがだっただろうか?蒸気機関車(SL)なんてものは日常では絶対に見ることはないし、ましてや乗ることなんて殆ど無いはずだ。そんな非日常を味わいながら、のどかな車窓と昔ながらの汽笛を楽しむ列車の旅はきっと思い出に残ること間違いなし。恋人とでも楽しめるはずだし、夫婦でも、お子さん連れでも、一人旅でも絶対に楽しめるはずだ。列車好きではない私だが、本気でおすすめできる熊本の魅力の一つだ。ぜひ、機会があれば体験してもらいたい。
詳しいお問い合わせは下記までどうぞ。
・名称: JR九州案内センター
・電話番号: 050-3786-1717
・公式サイト: JR九州