みなさんは本は好きだろうか?いろいろな本があるが、私は小説が大好きだ。ページをめくるとそこにはその作品の世界観が広がっており、私を現実から素敵な世界に導いてくれる。静かで趣のある場所での読書は格別だ。熊本には創業140年の静かで趣のある本屋さんがあるのだ。その名も「長崎次郎書店」今日はそんな静かで趣と歴史のある「長崎次郎書店」のご紹介。
森鴎外や夏目漱石も訪れた熊本最古の本屋さん「長崎次郎書店」
創業の想いが熱すぎる書店
出典:なび特派員
1872(明治5)年、「熊本県内の子供へ、一人残らず教科書を届ける」を使命とし、長﨑家の次男である次郎が教科書の取り扱いを開始。2年後の1874(明治7)年には長崎次郎書店を開業。明治維新からたった5年後に「教育機会の公平性」の必要性を感じて開業したという熱い思いの書店だ。それが今も続いているというから驚きだ。
文豪たちが訪れた熊本を代表する書店
出典:なび特派員
森鴎外は『小倉日記』のなかで「書肆の主人長﨑次郎を訪ふ」と書いている。また、旧制第五高等学校(現・熊本大学)で教鞭を執った夏目漱石やギリシャ出身の小説家、小泉八雲も訪れたと言われている。文豪たちがいた同じ空間で文学に思いを馳せるのも悪くない。
国登録有形文化財に指定されている書店
出典:なび特派員
天井梁や窓枠、柱などは建築当時のままで、天井東側には琉球王国伝来の龍の欄間もあるそうだ。外観は、大正13年に修正されており、東京・丸の内の三菱レンガ街などを手掛けた建築家・保岡勝也氏が設計したそうだ。木造2階建ての建物でありながら外装はレンガという異国情緒漂う独特なレトロ感が素敵だ。建物自体は、平成10年に『国登録有形文化財』に指定されており、周辺のランドマークとして県民に親しまれている。
一時休業から復活したレトロ書店
出典:なび特派員
戦後も教科書や一般書籍を扱う書店として営業してきた長崎次郎書店だが、2013年4月、経営者が体調不良のため、惜しまれつつ店を閉めた。経営者はその後、亡くなった。しかし、「県民の皆様に『長崎次郎』の呼称で親しまれてきた書店を、もう一度再開したい」と前経営者の親戚に当たる長崎健一社長が再開に乗り出した。そして、2014年7月31日、老舗の屋号を継承し、長崎次郎書店を再開した。
老舗書店なのにコーヒーも飲める
出典:長崎次郎喫茶室
老舗書店と聞くと堅苦しいイメージがどうしても拭えないのは私だけだろうか?ところが、この長崎次郎書店は違うのだ!1階は書店、2階は喫茶室になっており、コーヒーも飲めるのだ。なんとも柔軟な姿勢だ!
喫茶室の内装は木と珪藻土の壁を基調として老舗書店の雰囲気が出ている。客席は30席。しかも、コーヒーにもこだわりを感じる。熊本県菊陽町のインドネシア産豆専門店「岩下珈琲(コーヒー)」から豆を仕入れているというのだ。
店内の家具や様子もレトロ感満載で老舗書店の趣と明治や大正のロマンを思う存分楽しむことができる。熊本で最も歴史のある書店の喫茶室。そこには当然のように本棚があり、並んでいる本は自由に席で読むことができる。現代のカフェやファミレスでは味わえない静けさとゆったりとした時間が味わえる。
日本初のオルガンもある書店
出典:アナログサウンド!初期 LP 通販クラシック専科ガイド
日本で一番古いオルガンである山葉寅楠(ヤマハミュージックジャパン創業者)が製作した日本初のオルガンも展示されている。
出典:長崎次郎喫茶室
日本最古のオルガン以外にも新しいピカピカのピアノも設置されている。こちらはミニコンサートに使用するとのこと。
喫茶室にあがる階段の奥の部屋にはギャラリーもある。
出典:長崎次郎喫茶室
ギャラリーの中はこんな感じ。
出典:長崎次郎喫茶室
こちらは展示スペース。
出典:長崎次郎喫茶室
お気に入りの一冊を手に、こだわりの珈琲を
出典:ipopam.com/
二階の窓から路面電車を眺め、お気に入りの一冊を手に、こだわりの珈琲を飲む。
そんな味わい深くレトロで贅沢な空間を、味わってみるのもいいのでは?
・名称: 長崎次郎書店
・住所: 熊本県熊本市中央区新町4丁目1-19
・営業時間:11:00~20:30
・定休日:元日・藤崎宮秋季例大祭当日
・電話番号: 096-326-4410
・駐車場: なし(近隣にコインパーキング有り)
・書店HP: 長崎次郎書店
・喫茶室HP: 長崎次郎喫茶室