熊本で発見!聞いたこともなかった魚は江戸前寿司のネタの成長した姿だった!

 

土地にはその土地の食材がある。その食材によってはその地方でしか食べることができない食材もたくさんある。今回ご紹介する食材は、九州熊本以外でも食べることはできるそうだが、私が関西にいた頃は聞いたことも見たこともなかった。熊本に来て初めてスーパーで見つけてびっくりしたことを今でも覚えている。ということで、今回は、熊本で昔から地元の人達に愛されて食べ続けられているお魚のご紹介。

出典:http://bimitankyu.blog80.fc2.com/blog-entry-859.html

スーパーで見つけたのは、この魚。『このしろ』という魚だ。

コノシロの生態

日本全国で生息しているそうで、内湾や河口付近によく生息している。九州や新潟県、仙台湾以南。朝鮮半島、台湾、南シナ海などでよう穫れるそうだ。

コノシロは、海水と真水が入り混じった汽水域から海水域に掛けて広く生息する魚です。その為、漁獲量も多く「ご飯(コ)の代わり(シロ)になる魚」という意味で「コノシロ」と名付けられました。

お寿司屋さんの歩き方より

 

コノシロは出世魚?

コノシロは出世魚で成長によって名前が変わるのだ。4cm~10cmのものを『シンコ』と呼び、10cm~14cmのものを『コハダ(関東) ツナシ(関西・九州)』と呼び、15cm前後のものを『ナカズミ』と呼び、17cm以上のものを『コノシロ』と呼んでいる。しかし、面白いのは、成長すればするほど味は良くなるのに、金額は安くなるという不思議な魚なのだ。

関東では生まれてすぐの新子からなかずみ(現在では18センチ前後)までをよしとし、骨が気になるコノシロを嫌う。
ただし大きくなったコノシロは旨みが強く、本当はいちばんうまい。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑より

コノシロは通常の出世魚とは逆で、シンコはキロ20000円台を越えるという価格設定で市場に出回っています。コノシロまで成長するとキロ1000円台まで下落するという性質を持っています。

お寿司屋さんの歩き方より

コノシロの子は高級寿司ネタ

出典:http://torimoto.at.webry.info/200806/article_3.html

上でも出てきたが、コノシロの子どもはシンコ→コハダと成長していく。コハダは江戸前寿司では有名な光物の握りだ。

熊本ではどうやって食べられているの?

その高級寿司ネタのコハダの成長版のコノシロ。成長すればするほど安く手に入れやすいこともあって、熊本ではスーパーで普通に売られている。

刺し身でも売っているし

一匹まるまるでも売っている。しかも安い!

刺し身も美味しいが、酢じめして食べるのも絶品だ。出典:http://gurutabi.gnavi.co.jp/i/i_1428/

ちょっと不気味だが、この『このしろの姿寿司』も絶品だ。江戸時代から熊本は天草地方に伝わる伝統の郷土寿司なのだ。

出典:http://nipponsyokuiku.net/kenko/17/006/aji2.html

またこの天草地方には、ほかにも『ぶえん寿司』というコノシロが入ったチラシ寿司がある。『ぶえん』とは元々「無塩」と書いていたと言われ、この「むえん」がなまって「ぶえん」になったと言われている。「コノシロは塩を効かさなくても生で食べれるほど新鮮」だということだそうだ。

出典:酒器と料理で美味しくなるお酒より

もしかしたら地域によっては「普通に食べてるよ」という地域が熊本以外でもあるかもしれないが、熊本では本当によく食べられていて、いろんな食べ方があるし、安く美味しい魚なので、どうしても紹介したかった。居酒屋さんなどでいろいろなアレンジで食べることができるので、熊本に観光や旅行などで来たら一度食べてみて欲しい。