熊本市内にはデザイン豊かで個性的な市営住宅や県営住宅がたくさんあります。以前、そのなかの一つ「県営帯山A団地」を紹介しました。
これらの建物は熊本県によって始められた「くまもとアートポリス」というプロジェクトの一環として建てられたものです。
今回はその建物のなかから新たに「保田窪第一団地」を紹介していきます。これまた独特のデザインが珍しい団地ですよ!
では、紹介していきましょう!!
SF映画にでも出てきそうなせり出したボックス型テラスが特徴の「県営保田窪第一団地」
「くまもとアートポリス」とは?
今回紹介する「保田窪第一団地」が建てられるきっかけとなったプロジェクトが「くまもとアートポリス」です。このプロジェクトは1988年から開始され、その当時熊本県知事を務めていた細川護煕元首相(第79代内閣総理大臣)によって始められました。
その目的としては、
「環境デザインに対する関心を高め、都市文化並びに建築文化の向上を図るとともに、文化情報発信地としての熊本を目指して、後世に残る文化的資産を創造するため」(熊本県HPより抜粋)
とされています。
このプロジェクトは景観整備やパブリックアートなど生活に関わる施設が対象となっており、県営住宅や市営住宅もそのうちの一つとなっているのです。
ポスト・モダン建築にも関係あり?
ポスト・モダン建築とは、合理的で機能中心だった近代モダニズム建築への批判や反動から生まれた「建築物にデザイン性や芸術性などを回復しよう」という意図を持たせた建築のことで、1980年〜1990年にかけて流行しました。「ポスト・モダニズム」や「ポスト・モダン」と呼ばれています。直接の説明はありませんが、この「くまもとアートポリス」の建築もこのポスト・モダンを目指したものかもしれません。
こんな人におすすめのスポットです!
この「くまもとアートポリス」をきっかけに建てられた県営住宅や市営住宅は次のような人におすすめです。
建築デザインに興味がある人
面白いデザインの建物が好きな人
建造物を見るのが好きな人
建造物の写真を撮るのが好きな人
くまもとアートポリスに興味がある人
ポストモダン建築に興味がある人
県営保田窪第一団地 〜 ボックス型のテラスが印象的な独特のデザイン!
今回紹介する「県営保田窪第一団地」は、熊本市中央区帯山にある県営住宅です。周囲には小学校や住宅なども立ち並んでいます。そんななか現れてくるのが今回紹介する「県営保田窪第一団地」です。竣工されたのは1991年8月。
通り沿いから見たところ。すぐに他のマンションとは違うことが分かりますね。
裏側はこんな感じ。表側とあまり変わらない作りです。
でも、ぐるっと回ってみると、SF映画にでも出てきそうなポックス型のテラスがせり出している住戸が!かなり広いテラスのようです。団地でこんなデザインの建物はなかなかないでしょう。
熊本県HPによると、団地全体の空間が全世帯のふれあいの場になるように配置されているそうで、せり出したテラスも常に外部と接することができるようにとデザインされたそうです。
とはいえ、テラスの横は仕切りがあり、お隣さんが見えないような工夫もされていてプライバシーも考慮されています。
まさに「ポスト・モダン」を意識した独特の珍しいデザインの団地だと言えるでしょう。
まとめ 〜 建築デザインやポスト・モダン建築に興味がある人は見に行くべし!
今回は「くまもとアートポリス」の一環として建てられた「保田窪第一団地」を紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
独特で珍しいデザインは見ているだけでも楽しめるものです。
特に建築デザインやポスト・モダン建築に興味がある人は興味をひかれたのではないでしょうか。
県営団地で住民の方もいらっしゃるため、中をうろちょろしすぎるのは少し控えた方がいいですが、興味ひかれた人はこの独特のデザインを見学しに行ってみてはいかがでしょうか?
県営保田窪第一団地 〜 基本情報
スポット名 |
県営保田窪第一団地(けんえいほたくぼだいいちだんち) |
住所 |
熊本市中央区帯山1丁目28 |
料金 |
無料 |
トイレ |
なし |
駐車場 |
なし |
取材して写真撮ってこの記事を書いてくれたのは |