【くまもと人物百景】<地域おこし協力隊編>荒尾市地域おこし協力隊「上田 恵子」さん

熊本県内の各地域で活躍する地域おこし協力隊の紹介を通して、その地域の魅力を発信していきます。

荒尾市の地域おこし協力隊、上田恵子さんにお話を伺いました。

熊本人物キュレーション<地域おこし協力隊編>荒尾市地域おこし協力隊「上田 恵子」さん

荒尾市とは

有明海に広がる広大な干潟

荒尾市は、熊本県の北西部に位置し、西は有明海、北は福岡県大牟田市に接している市です。九州最大級の遊園地であるグリーンランドや、かつての三池炭鉱の施設であった世界文化遺産の万田坑があることで知られています。また、ラムサール条約に登録されている日本最大級の干潟があることでも有名です。農産物としては、梨(荒尾ジャンボ梨)やみかんの栽培が盛んです。近年は新たな特産物として、オリーブの生産にも力を入れています。

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地域おこし協力隊になったきっかけ

福岡での仕事がだんだん忙しくなる中、少しの時間でも休みを利用して荒尾に帰るようになっていました。荒尾の海は夕陽がとてもきれいなんですが、帰った時にその夕陽を見ながらぼーっとする時間や、田畑に囲まれて散歩する時間が大好きで。

そうしているうちに、そのような荒尾での時間が自分にとってとても大切だと気付き、荒尾で生活することを考えるようになりました。

同じ福岡からUターンをした姉に、荒尾市での生活はどうか聞いたり、ネットで求人情報をチェックしたりするものの、なかなか一歩を踏み出せずにいて・・・そんなとき、荒尾に住んでいる友人からこの協力隊の仕事の紹介があって。私は荒尾市出身ですが、高校までは家から駅や塾までの往復しかしてなく、自分のテリトリー以外のことを知ろうともしていませんでした。だからこそ、荒尾について学びながら荒尾で暮らしていくための準備ができる協力隊に魅力を感じて、応募しました。

協力隊になったからこそ、荒尾のこだわりのものや人など、いろいろな荒尾を知ることができ、荒尾のことが大好きになりました。荒尾にUターンするための手段として選んだ協力隊でしたが、なって良かったと心から思います。

協力隊の活動内容

私の担当業務は移住・定住の促進です。荒尾市では、3日から最長90日間利用できる「お試し暮らし体験住宅」があるのですが、着任前からその担当をすることが決まっていました。物件まで決まっていたので、着任してからは、家具など設備を整え、情報をホームページにアップする作業や問い合わせ対応など、利用者のサポートをメインに行っています。

移住相談対応のほか、市の紹介に係る情報発信や、PR活動として特産品の販売を行うこともあります。情報発信担当だった先輩隊員の事業を引き継いで、荒尾駅とのコラボ事業をするなど、ミッションに関わらず幅広く活動させてもらいました。月に1回、ローカルラジオで協力隊通信の枠を持っているので、活動報告やイベント情報の発信も行います。最近は、大好きな干潟で開催されるサンセットカフェコンサートと地域イベントの司会も挑戦させてもらいました。

また、今年度は、玉名市、南関町、長洲町、玉東町、和水町、荒尾市の2市4町の各協力隊のメンバーで構成される「あらたま地域おこし協力隊ネットワーク」としての活動もしています。各市町で開催される地域イベントに「協力隊ブース」を出店したり、それぞれの任務地を回り、魅力や現状を把握し合ったり。任務地だけでなく「あらたま地域」をPRし盛り上げていくことを目指した活動です。卒業後も参加していく予定です。

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協力隊のやりがい・魅力

協力隊の仕事をしていると、荒尾を知らないという人に出会うことも多く、移住担当としても、最初にお会いするのは私ということが多いです。つまり、私の印象=荒尾市の印象となりますので、お試し暮らしされた方が移住に繋がらなかったとしても、荒尾は楽しかった、また来たいと、思ってもらえるように、お会いする人が荒尾に対する印象を少しでもプラスに持ってもらえるようにという意識でお話しするようにしています。

協力隊としての活動は、今年、任期終了を迎えるのですが、移住相談員として後任の協力隊も決まりまして!もともと私が移住相談を受けていた方なんですが、「荒尾市が大好きで、移住したい」と応募されました。先輩移住者として、相談者さんに近い立場でサポートしてくださると思います。

任期終了後、やりたいこと、やるべきことはいっぱいあります。これまで、移住定住担当として、相談者の方へのサポートはすごく頑張ってきました。でも、先輩移住者の会など、移住された方たち同士の繋がりをもっと作っていきたかったです。相談窓口を利用していない移住者の方とも、もっと関わることが出来たのではと思います。それが、定住につながり、その後の移住相談にも役立っていくと思うので。ただ、ここからだとも思っています。残りの期間では難しいかもしれませんが、卒業後こそ、一市民として、地域イベントやボランティア活動などにも積極的に参加して、荒尾市の魅力を増やし、伝えていきたいです。
また、以前より、何事も挑戦してみようと思うようになりました。苦手なこともありますが、とにかく受けてみる。そうすることで、人脈も広がり、協力隊の活動面でも、一市民としてもプラスになることが多かったように思います。

あとはネットワークですね。 特にあらたま地域おこし協力隊ネットワークのメンバーは、「初期メンバーがみんなだったから立ち上げることができたよね」とよく話すほど、気軽に集まれ、みんなで協力し合える最高の仲間です。これから新たに入る協力隊にとっても、相談できる場として活用してほしいです。このネットワークのおかげで、荒尾だけではなく他の地域も好きになりました。

協力隊としてUターンしていなかったら、たくさんの出会いもなかっただろうし、荒尾市のことをここまで好きにならなかったと思います。

卒業後の人生の展望はありますか。

実は、両親が所有する土地に古い空き家がありまして。海がすぐ前にある場所で、そこにカフェを開くことが夢です。海にいる時、「このロケーションで、美味しいコーヒーでも飲めたらな」といつも思っていたので、同じように海を訪れた人たちの海時間のお供にコーヒーを提供できるお店が作れたら最高です。年間100万人にも上るグリーンランドの来場者がそのまま帰るのではなく、海に来るきっかけにもなれたらなと。まだまだこれからなので、どこかに勤めながら週末に移動販売をするなどして経験を積み、そう遠くない夢にしたいですね!移動販売をしながら荒尾のことや協力隊のことも広めていきたいです。

母の弟、私にとっての叔父が生前絵を描いていて、母は叔父の作品を紹介したいという思いがずっとあって。そして、私はコーヒーを提供したいと思っている。この2つの思いが合致して「アートギャラリーカフェ」みたいなお店をやれたらなと考えています。いつもは叔父の作品を展示して、期間限定で他の方の作品も展示できるよう場所貸しなども出来たらと思います。植物が好きなのでアートと一緒にたくさん置いて癒しの空間にしたいですね。

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メッセージ

協力隊の活動は、一市民として知れないことを深く知ることができて、協力隊でしかできない出会いもあります。協力隊になりたい理由はいろいろあると思いますが、移住し、その土地で暮らしていく上で、3年間協力隊として地域に関われることは絶対にプラスになります。

荒尾市の魅力はたくさんありますが、まずおすすめしたいのは、私が荒尾に戻るきっかけにもなった海ですね。夕暮れ時の海に沈む夕日が最高にきれいです!潮の満ち引きの状態や、干潟についた模様によって、毎日違う姿を見せてくれます。前方には佐賀県の多良岳、左側には長崎県の雲仙とロケーションも最高です。そういう景色を見て、ぼーっとする時間をぜひ作ってほしいですし、コンサートや干潟ヨガなどさまざまなイベントも開催されているので、いろいろな方法で荒尾の海を楽しんでほしいです。あと、空き家をリノベーションしたおしゃれカフェや、「炭素循環農法」の農園、手間暇かけて作られた「梨蜜」や「生はちみつ」など、こだわりの商品、場所、頑張っている人がいるということも知って欲しいですね。

それ以外には、暮らしやすさも魅力です。病院や商業施設も多く、生活するには十分なところです。車や電車なら1時間ちょっとで福岡まで行けます。福岡空港まで高速バスも出ているし、沿岸道路ができて、佐賀や長崎までのアクセスもよくなりました。さらに、荒尾競馬場跡が「南新地土地区画整理事業」として開発されていて、住宅地や商業施設、沿岸道路のインターなどができることになっています。 こういった変化もこれから楽しみなところです。温泉も20~30分で隣の和水町の三加和温泉や玉名温泉などに行けます。 突出したものはありませんが、生活するのにちょうど良いのが荒尾だと思います。