一見コワモテのワイルドな雰囲気…でも、喋り始めたら止まらないオジサマ笑。
「中学校しか卒業していません」
「お笑いの道に進もうと思ったんですが、叔父さんに首根っこ捕まれて引き戻されて」
そんなヤンチャ感は今も健在、熊本市東区出身の新山寿紀さん。
今は餃子屋さん…でも、
「今の店は、餃子とホルモンとサワーの美味い店」
「“おもてなし”として利用いただける場所にしたい」
「料理で一番自信があるのは…おでん」
たとえ何屋さんであっても、熊本食材を活かした料理で熊本の魅力を発信し続ける…のが、新山さんです!
肉+ぽん酢・説明書
熊本市東区の自衛隊通り沿いで、ドーンと主張するオレンジの看板…“肉肉餃子”って笑。
店構えには、店名よりも大きくコンセプトを掲げる「餃子屋田中」の製造直売所。
そう、ワタシ…今日は餃子でおうち時間!
ということで…餃子屋田中、初潜入!
御品書きには2種類のみ。。
■正規品(28コ入り)1,080円
■ふぞろいの餃子たち(30コ入り)980円
ともに、黒酢とかぼすをブレンドした特製ぽん酢付き♪
-あのぅ、、、違いはどのくらいありますか?
「(正規品でないと)お料理が苦手な場合は、焼いている途中に具がバラけてしまう可能性も捨てきれません」。
…!!
その言葉に、逆に、負けず嫌い魂が点火です笑。あえて「ふぞろい=不揃い」を購入。
持ち帰って…さっそく保冷ケースから取り出すと、丁寧な説明書付き(ほっ)。
「不揃いなのよね」…と恐る恐る開封したものの、ぜーんぜん、キレイ。
軽ーく、イケそうだわ♪
そして、火入れの儀…ですが、気合いは無用、超カンタン笑。
「普通に」フライパンで焼けば、餃子の皮から具材も飛び出しません、すぐに焦げたりもしません、時間もかかりません。
あっという間に、上手に30コの羽根付き餃子が焼き上がり♪
他の餃子チェーン店(王○や○ノ弐など)や、スーパーマーケットの冷凍餃子などに比べると、サイズはやや小ぶり。
でも憎々しさ…間違った、肉肉しさは堂々。
「肉に餃子の皮が付いている」餃子を食べてる感じ笑。
セットのぽん酢は…もう、ほぼ、かぼす笑。餃子のワイルドな肉肉しさを、かぼす果汁がフレッシュにサポート。
サイズは小ぶり(←強調、2回目)ですが、食べ応えはしっかり肉肉しいので…お一人さまなら、30コ入りを買って、1回に半分ずつ焼くのが量的にはちょうど良いかもです。
今回、店頭で一瞬悩んだ御品書きのチョイス…は、贈答用や食事会への持参なら正規品!、おうち用(自分へのご褒美餃子など笑)なら不揃いで!…という判断でOKでしょう♪
「やれなかったこと」解放中…
そんな「餃子屋田中」直売所の餃子をそのまま、熊本市内の真ん中、銀座通り沿いにイートイン型の店舗がオープンしたのは今年6月中旬。
店長を務めるのが、コワモテ&ワイルドな新山さん。
-餃子専門店と思わせない、豊富なメニューラインナップです!
「“餃子とホルモンとサワーの美味い店”ですから笑」
「餃子と角煮は阿蘇のブランド豚(あそび豚)を使用するなど、実は熊本食材をベースにした料理を多く揃えています。
地元の方には、地元食材の素晴らしさを再認識いただき、また、県外の方にも喜んでいただけるような店にできれば」
-餃子はベーシック、生姜入りから選べるのね!テイクアウトに付いてくる特製ぽん酢が、こちらでも。直売所で買って食べる餃子との違いって…?
「うちの餃子は、おうちで食べていただいても美味しい、一方で店でプロが仕上げる餃子も美味しい…という、両方を楽しんでいただきたい。それと…」
-それと?
「イートイン店舗ならではの食べ比べも体感いただきたい。まずはうちのデフォルト、ぽん酢で召し上がっていただき…それから、食べるラー油を絡めてみて、最後に合わせ薬味と一緒にぽん酢を付けて…」
-あら。同じ餃子が…風味というか、食感も違う感じ。で、…と、さらに餃子について伺うと、餃子の話だけで時間が経過しそうなので笑、次、ホルモンにいくわよ。
「ホルモン煮込みには、形の崩れやすい丸腸は他ではあまり使われないのですが、僕はあえて丸腸。
ホルモン煮込みは、丸腸が一番美味しいですから」
-ホルモン特有の臭みもゼロ! 餃子もホルモンも…そして、この角煮もしっかり濃厚に肉肉しい♪そして、その肉肉しさにフレッシュさを加えてくれるのが、
この見るからに果汁感たっぷりの特製サワー。
「シロップから手作りで、仕込みに5日間かけてます」
「レモン1個の重さと同量の氷砂糖を漬け込み…」
…はい、割愛します笑
-レモンサワーなのに、酸っぱくなくて、でもレモンの味が濃くて甘い。これは…ハマる笑
-餃子屋さん…というより、創作料理屋さん。
「ここ…餃子屋さんだよね?って、よく聞かれます(笑)」
「一応は餃子屋ですが、『餃子が食べたい』だけでなく『何か美味しいもの食べに行こう』と、カジュアルに、フラッと立ち寄っていただけるコンビニ感覚、
ファストフード的な場所にできればと思ってます」
-まだまだ外出は自粛しなくてはならない…大変な時期に、あえて新店のオープン。
「コロナ以前は盛り上がっているエリアで、お客さまに来ていただいて当然…という環境で店をやらせていただいていた。それがコロナで売上が急降下、ガクンと落ち込み、働いていたスタッフさんのシフトが入れられない、イコール、お給料が払えないといった深刻な事態になる前に…店を畳むことにしました」
「今はすべて最小限、スタッフも取引業者さんも、できる限りコンパクトな状態、ゼロからのスタート。ゼロからであれば、今より下がることはありません(笑)。今のゼロからの挑戦で上向きに持っていけなければ、今までの自分は周りに恵まれていただけ」
「むしろ今は振り切って、今までやれなかったことをすべて、解放しています(笑)」
銀座通り店舗オープンから遡ること約8ヶ月前…現在「解放中」の新山さんは、熊本市内の中心部に2019年開業した大型商業施設「サクラマチ クマモト」地下1階ウナギ料理の専門店(鰻屋源八郎)にいました。
バリスタ→ブライダル→焼き鳥
-ウナギ屋さん時代の黒い割烹着?も似合ってました。
「(鰻屋源八郎の)オープン当初はもう、、、たくさんのお客さまに来ていただいて、てんやわんや。ありがたかったですね」
「ウナギという、敷居の高いと思われがちな料理を、できるだけ日頃馴染みのない層にも触れていただくために、いろいろ試行錯誤しました」
「通常の丼ものだけじゃなくテイクアウト弁当はもちろん、ウナギのピザやバーガー、出汁にこだわったおでん、あそび豚の肉味噌を使った担々麺など…カジュアルにウナギを試していただけるように、幅広いメニューを出していましたね」
ーあそび豚には、以前からこだわっていたんですね。
「ここ…ウナギ屋さんだよね?って、よく聞かれました(笑)」
-ウナギ屋さんに行き着くまでのキャリアは?
「料理人としてのスタートは、学校を辞めてフラフラしていたとき、親が無理やり送り込んでくれた熊本市内の料亭からです。
そこで最初は1日中ひたすら、ずーっと、宴会料理や仕出し弁当の盛り付け作業をしていました」
「そして、徐々に賄いを任せていただけるようになりまして、そのときに、出汁を自己流で工夫して作るようになりました。
僕が作る評判だった賄い飯は…中華丼(笑)」
-その中華丼をきっかけに、今は餃子に繋がって…というわけではなさそうですね笑。
「その料亭で8年くらい修業をさせていただいて…それから、バリスタを目指しました」
-え? …転身!
「当時、全国的にも有名なメーカーさんが、飲食事業を熊本で初めて展開するタイミングでして。その1号店でバリスタとして働かせていただきました」
「その後…接客経験も積みたいと思って飛び込んだのが、今も熊本市内の中央にある、シティホテルの宴会サービス係として、ホールと厨房の繋ぎ役のような役割もこなしながら…当時は、厨房の料理人さんたちのテクニックを『見て』学んでいた時間。一切料理からは離れていました」
-どのタイミングから、再び料理の道に?
「宴会サービスの後、実は関東や関西など各地を渡り歩きながらブライダル業界に関わり…そして…2011年、東北大震災をきっかけに熊本に戻ってきました」
「熊本に戻ってきてからは、もう一度自分の原点である料理でやっていこうと…焼き鳥屋さんにお世話になりました。
その焼き鳥屋さんで、ウナギ屋を営む方と知り合うことができ…ウナギ屋の店長へと至ります」
恩返しのための、原点回帰
「(餃子屋田中イートイン店舗の)オープンから数日間は、本当にありがたいことに、連日満席。でも正直なところ、、、お客さま同士の間隔を空けていただいたりもしていますし、回転率は決して良いとは言えませんが、こんなご時勢にお越しいただけるのは感謝しかありません」
「でも…今のお客さまは、僕自身や(餃子屋田中の)オーナーの知り合いがメイン。店自体に、料理にファン、リピーターを作っていく、いつ来ても変わらない店の雰囲気、料理の味がある…を固めていくのが今の店での僕の使命だと思っています」
「そうしなければ…2号店、3号店と続いていきません(笑)」
-店や料理にファンをつくる!
「例えば常連さんが、県外から来られた方に『ここ、俺の馴染みの店で、熊本料理の美味い店』としてご紹介くださったりしたら…最高に嬉しいですよね」
-今、とくにこだわっていること。
「原点回帰…そして料理においては、温度管理。料理って、火加減で全然違うものになる。バリスタ時代に学んだ基本的なセオリーではあるのですが…
ここ数年はおおよその感覚でこなしてきてしまったような気がしています」
「直売所から仕入れる餃子などの食材も、手間は掛かりますが、今は1食分ずつ冷凍パックをして運んで来ています。こうすることで廃棄ロスも極限まで減らすことができますし、店で出す料理も均一化が図れる」
「原点回帰の考え方、…食材のパック化なども、すべて目先というより、将来を見据えた場合に、絶対必要なこと」
-目先だけでなく、先を見る。
「半年後はこうしよう、1年後、3年後はどうしていこう…など、常に先々のプランを立てながら、その逆算で今できることを実行する!…ように考えて過ごすのが大切。と僕が言葉に出すことで、僕自身にプレッシャーを掛けている(笑)」
「普通のことを当たり前にやるなら、誰にでもできる。でも…それではつまらない(笑)。緊張感を持ちながらも、肩ひじ張らないカジュアルな志向も忘れず…僕にできることで、地元である熊本やお世話になった熊本の人たちに恩返しをしていくのが目標ですね」
餃子屋 田中 銀座通り本店
店舗名 | 餃子 田中 銀座通り本店 |
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住所 | 熊本市中央区下通1 8-18 AIGinzaTwin1階B号 |
電話番号 | 080-8726-1763 |
営業時間 | 17:00~翌1:00 (料理L.O.~翌0:00/ドリンクL.O.~翌0:30) |
駐車場 | 8台(第一P3台 第二P5台) |
定休日 | 不定休 |
支払 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済可 |