男の子は乗り物好きが多いが、特に電車は多くのファンを魅了する乗り物の一つだ。ただ興味のない人にとってはその魅力がわからずマニアックな世界だ。今回、そんなマニアックな世界の魅力を理解したくて、熊本市交通局の市電体験運転イベントを取材させていただいた。
本物の電車を運転「熊本市交通局の市電体験運転イベント2017」
全国の鉄道ファン垂涎のイベント
この熊本市交通局の市電体験運転イベントは毎年恒例となっているそうだ。今年は10月7日(土)と10月8日(日)の両日で行われた。誰でも参加できるイベントではなく、全国から鉄道や電車のファンが応募し、抽選で選ばれた40名のみが参加できる特別なイベントなのだ。その倍率はなんと1.5倍という。全国から鉄道ファンが殺到するのには理由があって、日本で実際の電車を運転できるのは4箇所しかないそうだ。しかも路面電車の運転ができるところはまずないらしい。そんな貴重なイベントがこの熊本市交通局の市電体験運転イベントなのだ。
まずは講習会
参加者はすぐに電車を運転できるわけではなく、まずは電車の運転方法などを学ぶ講習会を受けるのだ。
その講習会の会場はなんと電車の車両(笑)鉄道ファンにとってはこの計らいも楽しいはずだ。電車のことがあまりわからない私も「これはおもしろそう」と感じたくらいだ。
休憩所も電車
休憩所も電車の車両というから面白い。
さらにこの車両は1953年(昭和28年)から福岡の西日本鉄道(西鉄)で走っていたものだそうで、1976年(昭和51年)に熊本市交通局が譲り受けたそうだ。なんと64年前の電車が今も保存され使用されているなんて!その時代の積み重ねにはロマンを感じるぞ!
運転できる電車は熊本市電最古
今回体験運転イベントで参加者が運転できるのは、熊本市交通局の市電で一番古い電車だそうだ。なんと1950年(昭和25年)に製造された車両なんだとか。実に67年前に製造された電車だ。未だに動くのがすごい!映画にも出演したこともある電車らしいぞ。
床も木製でレトロな感じでおしゃれに思える。
参加者の運転体験
参加者は往復の運転を体験できる。運転方法は講習会で学んでいるのだが、実際の運転士さんを指導する立場の「監督さん」が横について手取り足取り教えてくれるので、初心者でも運転ができるぞ!
動画も撮影してきたのでご覧いただきたい。
まずは参加者の方が運転する電車を外から撮影してみたぞ!(音量に注意)
次は電車の車内から運転の様子を撮影させていただいた。(音量に注意)
参加者に感想を聞いてみた
今回お話を聞けたのは3人。神戸から参加された男性、横浜から参加された男性、熊本市内から参加された男子中学生の3人だ。
神戸の男性と横浜の男性は、以前に全国の体験運転会に参加して知り合ったそうだ。今回も現地に来てみたら偶然にお互いの姿を発見してびっくりしたという。この方々の話によると、熊本市交通局の市電運転体験イベントに3回応募して3回とも抽選に外れている人もいるのだとか。横浜の男性も去年は参加できなかったそうだ。
こういう電車運転会の醍醐味は何かと質問してみたところ、お二人は笑顔で「普段滅多に運転できない電車を運転できること自体に価値がある」「車両によって走り出しやブレーキの具合が違って面白い」「参加者はファンであるけど素人なので、運転が上手な人や下手な人がいて、そういうことを感じるのも面白いんです」と教えてくれた。
熊本市内から参加していた男子中学生は、なんと去年も抽選に当たったそうだ。なんという強運なんだろう!実際に運転してみてどうだったかと聞くと嬉しそうに「やっぱり運転は難しかったけど、楽しかった」「エンジン音が好きなんです」と答えてくれた。
まとめ
「マニアックだ」とか「オタクだ」という言葉だけで片付けるのはもったいない。こういう専門家に質問しながらその世界の魅力を解説してもらえれば、きっと楽しみ方がわかったりするはず。今回はそんなことを感じることができた電車体験運転会だった。
それに、熊本には古くて価値のある電車がたくさんあるようだ。古い車両は見るだけでも、レトロでかわいい感じなので、インスタ映えもするのではないだろうか?熊本の趣のある街並みにもマッチしていておしゃれだと思うぞ!
これから少しずつ電車のロマンにも触れていきたいな。
[イベント一覧]