2017年4月29日(祝)、NASA主催のハッカソンイベント「 Space Apps Challenge 2017 」が全世界で一斉に開催された。以前にも当サイトでもお伝えしていたイベントだ。もちろん熊本でも開催された。
Space Apps Challenge Kumamoto for Kids 2017
子ども向けは全世界で熊本だけ
このイベントは、プログラマーやエンジニアが集まり、NASAやJAXAなどが公開している宇宙・地球環境・衛星関連のデータを使ってアプリや色々な装置の開発を目的としたものだ。しかし今回、熊本会場では世界で唯一、参加対象を”小学高学年~中学生”とし、ユニークなアイデアを競うイベントとして開催することになった。
今回のテーマは「宇宙人が地球に遊びに行きたくなる観光ビデオを作ろう!」
そして、今回のテーマは、『宇宙人が地球に遊びに行きたくなる観光ビデオを作ろう!』というかなり面白いものになっていた。このテーマもNASAが公式に指定してきたテーマだというから余計に面白い。
今回は、子どもたちがチームに分かれて、アイデアを出し合い、「どのような観光ビデオを作れば宇宙人が地球に遊びに来てくれるか?」という企画を考え、絵コンテにしていくというもの。そして、プレゼンテーションを行い、優勝チームの絵コンテを元に大人たちが動画を撮影し、その動画をNASAに送るというものだ。
子どもたちの様子
今回参加した子どもたちは16名、3チームに分かれて絵コンテ作りをしていた。
宇宙人にはきっと言葉が通じない。だから言葉を使わずに動画を作るべきだ。その時、どんな映像を見せれば宇宙人は感動するだろうか?きっと地球の美しさだ。という着想の元、チームをまとめる少年。
地球にあるものを組み合わせて新しい商品を作ってそれを売るスーパーのCMを作れば宇宙人も買いたくなって地球にやって来てくれるんじゃないか?という発想のチームもあった。
地球人の素晴らしいところはファッションとスポーツだという発想で、地球のオシャレさとスポーツ観戦に着目したチームもあった。
スタート時点の発想もチームそれぞれの個性が出ていたり、情報収集やアイデア出しのスタイルもチームによって変わっていた。
あるチームはスマートフォンやタブレット、PCを使いこなしながら情報収集とアイデア出しを行ったり、あるチームはポストイットにアイデアを書き出して、可視化することで意見をまとめていくチームもあった。その姿は子どもの姿とは思えないほどで、このまま働けるんじゃないかというくらい頼もしいものであった。子どもたちもそれをすごく楽しんでいるようにも見え、意見交換などにも積極的に生き生きとした顔で取り組んでいたのが印象的だった。
大人も感心のアイデア
今回、優勝したのは、言葉を使わず地球の美しさを見せる動画を作るというアイデアを出したチームだった。プレゼンの時、会場にいた大人たちからも「おお!なるほど!」と感心の声が漏れていた。確かに、地球上でも言葉が通じないのに宇宙で言葉が通じるとは思えない。しかし、大人はこういった発想には気づかないのかもしれない。シンプルだが確信をついたアイデアに会場中が驚きに包まれていた。
イベント後の清々しい子どもたちの笑顔
イベントを終えて子どもたちが、感想を発表してくれていたのだが、すごく楽しめた様子で、「またこういうアイデアを出して何かを作り上げるイベントに積極的に参加したい」「改めて地球の美しさと魅力を感じた。地球ってすごい!」と語っていた。
子どもならではの発想の中に、大人がハッとさせられる論理性を兼ね備えた子どもたち。学校の勉強はどちらかというと受動的なイメージだが、こういった能動的な学習や発表の場は子どもたちにとって新鮮なのかもしれない。もっとこういったイベントが多岐にわたって増えていけばいいなと取材をしながら感じた。ぜひ来年も実施してもらいたいイベントだった。