震災復興イベントで「浄瑠璃」と「花」と「仏教」のコラボ『SCB日本文化とつながる』

熊本で面白い震災復興イベントが開催される。企画したのは、地域コミュニティブランド『SCB復興期支援プラットフォーム』と『SCB日本文化とつながる』というチームだ。今までにはない異色のコラボレーションイベントとなっているので、どんなイベントなのかご紹介。

SCB日本文化とつながる〜浄瑠璃とつながる in KUMAMOTO 2018〜

イベント概要

歌舞伎座で活躍中の三味線方であり、重要無形文化財総合指定保持者である、野澤松也氏を熊本にお迎えし浄瑠璃ライブを開催。ライブでは浄瑠璃を「何か」をつなげるパフォーマンスやアクティビティを展開。主催は『SCB復興期支援プラットフォーム』と『SCB日本文化とつながる』。

 

SCB復興期支援プラットフォームとは?

SCB復興期支援プラットフォームとは、地域コミュニティブランドは単なるモノづくりを目的とするものではなく、モノづくりを通じて地域コミュニティを構築することを目的としていて、崇城大学SCB放送局新市街スタジオを拠点に様々な活動を企画・運営するコミュニティだ。「親子が遊べて学べる場所=親子キャラバンくまもと」を始めとする様々な活動を展開している。そんな彼らが、今回、「日本文化」をテーマに新しい企画を立ち上げた。その第一回イベントが『浄瑠璃とつながる in KUMAMOTO 2018』なのだ!

 

「SCB日本文化とつながる」とは?

上記の「SCB復興期支援プラットフォーム」の関連チームなのだが、こちらは、特に日本の伝統文化を多くの人々に知ってもらうため、芸術と地域資源をつなげることで新しい楽しみ方を提案していく活動をしているチームだ。

 

 

企画コンセプト

つながる ー五感を震わす体験で、土地とつながる、人とつながるー
歌舞伎義太夫三味線奏者「野澤松也」による創作浄瑠璃の演奏を体験して、舞台となる土地の持つ、歴史や文化とつながること。 また、そ 感動を同じくする人、あるいはその後、同じ体験をする何処かの誰かとつながり、コミュニティが広がっていくことを、本企画のコアとして位置づけている。

 

企画概要

創作浄瑠璃ライブ

ライブの趣旨は、頭で考えるのではなく、“五感”で感じてもらうこと。野澤松也の三味線の演奏は、まさに五感を使って体験するにふさわしき、パワーと魅力にあふれている。演目は「役者演閻魔大王」

熊本に伝わる民話を用いた創作浄瑠璃を介して、土地の持つ歴史や日本の伝統文化とつながる体験を提供。「もっとたくさんの人に浄瑠璃 おもしろさを伝えたい」という 野澤松也自身の想いから生まれた創作浄瑠璃ならではの、大人も子どもも、誰もが心から楽しめるライブなのだ。

「解説」
創作浄瑠璃「役者演閻魔大王(やくしゃのえんずるえんまさま)」 作詞:橘 凛保 作曲:野澤松也
熊本県に伝わる民話。死んだものがトンチを効かせ、閻魔大王と立場を逆転させ、自分が閻魔大王になる話。歌舞伎義太夫三味線方として、長年にわたり歌舞伎役者 演技を間近で見てきた野澤松也の弾き語りによるこの演目は、「役者を演じる」という見せ場もあり、耳で聞くだけではない、ビジュアル的な楽しみも魅力。

参加者同士がつながるワークショップ

ライブ後に参加者同士が、各々の感性を用いて表現や意見のできるワークショップを予定(例:創作浄瑠璃ライブ 感想をフラワ ーアレンジメントで表現)。五感を震わすことの楽しさの体験(ライブ)から、その楽しさを自らの感性をもって表現し、つながり、共有することのおもしろさに触れていただく機会を創作。

トークショー

奏者の野澤松也、開催場所のホスト、そして観客の方々を交えたトークショーを予定。観客の方々も聞くだけでなく、ともに想いや考えを分かち合える、フランクかつ一体感のあるお話の場を設ける。

 

野澤松也(のざわまつや) プロフィール

歌舞伎義太夫三味線奏者/重要無形文化財総合指定保持者

1955年 広島市生まれ
1969年 母の勧めで三味線を始める(当時一四歳)
1972年 国立劇場第一期文楽研修生になる
1974年 研修終了。野澤松之輔の内弟子となる 。同年四月、国立劇場文楽公演で初舞台
1979年 松竹歌舞伎に入る 。国立劇場『仮名手本忠臣蔵』で歌舞伎の三味線方として初舞台
1999年 重要無形文化財総合指定保持者になる
2004年 『創作浄瑠璃の会』設立。創作浄瑠璃の弾き語り活動開始
2016 年 『三味似粋人ジャパン』設立

現在、松竹歌舞伎(東京 歌舞伎座、国立劇場、新橋演舞場、京都 南座、大阪 松竹座、名古屋 御園座、福岡 博多座 等)で 演奏。「児雷也豪傑譚話」「NINAGAWA 十二夜」他を作曲。同時に、国立劇場研修生講師、学習院大学非常勤講師を務めるなど、演奏家・講師として活動中。舞台を務める傍ら「日本 伝統文化 地球を救う!」をキャッチフレーズに掲げ、ライフワークとして昔話や民話、土地に伝わる話などを浄瑠璃風にアレンジした「創作浄瑠璃」を作曲。一人でも多くの人たちに三味線や浄瑠璃に身近に触れてもらえる機会をつくろうと、日本各地で弾き語りライブを行い、小学生から大人まで、その魅力を伝えている。
竹本連中/竹本協会 理事/伝統歌舞伎保存会 会員/義太夫協会 正会員/国立劇場養成課講師/創作浄瑠璃 創始者

浄瑠璃について

浄瑠璃とは、三味線を弾いて唄ったり語ったりする音曲のこと。その語源は、東方浄土の「浄瑠璃世界」に由来。逸話によれば、 三河国の生まれの浄瑠璃姫と源義経との悲恋の物語を描いた「浄瑠璃姫物語」を三味線で語るようになり、それが評判となって、三味線を演奏しながら語られる物を総称して「浄瑠璃」と呼ぶようになった。

創作浄瑠璃について

歌舞伎義太夫三味線奏者「野澤松也」が、歌舞伎 舞台で三味線を弾く傍ら、2004年より創作浄瑠璃 弾き語り活動を開始。誰もが知っている昔話や民話、土地に伝わる話、小説などをわかりやすい言葉に変え、作曲をしている。「もっとたくさんの方々に、歌舞伎や文楽、浄瑠璃に親しんでいただきたい」との想いを胸に、全国各地で公演をし、学校や幼稚園、老人介護施設などでも演奏。子供にもわかる楽しい浄瑠璃とともに、三味線に実際に触れられるワークショップなども実施。歌舞伎や文楽に欠かせない、義太夫三味線 演奏による“語り物”音楽「浄瑠璃 JORURI」の世界を、広く伝承している。

三味線について

三味線にもたくさんの種類があり、たとえば棹の太さで大きく三つに分けられる。まず「細棹」。これは唄物と言い、長唄、端唄、 俗曲、小唄などがある。次に「中棹」これは唄物の中に語りも少し入った、常磐津、清元、一中、荻江、宮園、地唄、民謡などがある。そして最後に「太棹」。多くの方がご存知 津軽、義太夫 三味線。歌舞伎には主に長唄、義太夫、清元、常磐津の三味線が使われている。なお、三味線の棹に使われているのは、インド産の紅木。明治時代に綿花を積んだ船の重りに積まれていた紅木を、浪速で三味線に使ってみたことをきっかけに、カリンや紫檀に代わり用いられている。

 

花峰館(かほうかん)とは?

文化庁指定文化財でありモスグリーンのかわいらしさが際立つ洋風建築。明治時代の産業遺産として評価されながら解体が決まっていた建築物が、2003年に金峰山中腹の現在地に移築・復元されたもの。アトリエ兼フラワーデザイン教室として利用されている。

 

高木礼子(たかきれいこ)プロフィール

花峰館館主。マミフラワーデザインスクール熊本・高木礼子教室主宰。マミデザインスクール講師研究科3級2級1級指導員。国家検定フラワー装飾1級および職業訓練指導員。日本アロマテラピー協会認定資格1級。アメリカを始め、ドイツ、ベルギーなどのアーティストに学び、各国で作品展やデモンストレーションを行うフラワーアーティスト。

 

香福寺(こうふくじ)とは?

熊本市中央区本山の仏閣の目指すところは『香福寺とご縁をもった人はみな、安心し、笑顔になる。』

  1. 「ホッと安心の笑顔」・・・来た時よりも「晴れやか」に。誰にも言えない、やり場のない苦しみや悩みに寄り添い、求められれば、お寺内外の繋がりを活用して、可能な限りサポート。
  2. 「ワクワク楽しい笑顔」・・・日々の生活にほんの少しの「心の贅沢」を。落語や映画、寺子屋、共食食堂、居場所づくりなどの活動や、日々の関わり合いの中でも、仏教やお寺の面白さ、特別な時間や体験を提供し、関わる人々の日々の暮らしに、ほんの少しの「心の贅沢」をプレゼント。「いまをより良く生きる」ためにモノや場所が、仏教であり、お寺であることを再認識。
  3. 「ワイワイ繋がる笑顔」・・・みんな一緒に「楽しく、無理せず、できるしこ。」お寺に関わりある人もそうでない人も、一人一人の様々な想い(此れがやりたい、居場所が欲しい、誰かと繋がりたい)を実現する場所としてお寺を解放。「みんなで楽しく、無理せず、できるしこ」をルールに、誰一人として「負担と感じない」コミュニティを作る。そして自然とアイデアやエネルギーが生まれ、「ワイワイと楽しい笑顔」が連鎖してゆく「舞台」となり、人々の生活の一部となるような、「自分たちのお寺」となることを目指す。

 

清水谷勇哲(しみずたにゆうてつ)プロフィール

浄土真宗 香福寺 副住職・お寺de落語 代表・おたがいさま食堂 共同代表/逢桜の里 運営スタッフ・社会起業支援サミット2009in熊本 発起人。様々な業種、職種の専門家とコラボし、寺院の活性化策を実施。垣根を超えた多様なつながりによる化学変化が起きる実験場として、お寺や仏教を活用中。

 

逢桜の里(あいらのさと)とは?

逢桜の里(あいらのさと)は熊本地震による様々な社会課題を抱えた方々の心の貧困解消の為の居場所づくりに取り組んでいる。子どもと高齢者の共生型コミュニティの場である「里づくり」や居場所づくりの障壁(人・物・資金)を取り除く「おすそわけ」に始まり、その他、味噌巡業・ひとり親家庭支援活動・サポーター育成活動、フードロスの野菜や果物を作ったドライベジ・ドライフルーツ「sato→(さとから)」の販売を展開中。

 

第1部 花の館で浄瑠璃に聴き惚れるチャリティーライブ

被災者の居場所作りに取り組む逢桜の里さんと共催で日本文化と花とのコラボレーションを楽しむイベントを開催します♥

日時

2018年4月1日(日)13:00開場 13:30開演 15:30終演

会場

花峰館
〒861-5344 熊本市西区河内町岳1844-356
【Google Map】 https://goo.gl/maps/Y5hMeJALJY32

無料駐車場

徒歩7分のところに駐車可能
【Google Map】 https://goo.gl/maps/kdaMYjwKRm12

お代

無料(逢桜の里さんの被災者支援活動チャリティー)
※ただし、逢桜の里さんの推進する助け合い活動として何かしら(受付、餅づくり、お茶の配膳など)手伝っていただき、みんなでイベントを作り上げる趣向となっております。ご協力よろしくお願いします!

定員

20名

内容

(1)創作浄瑠璃(作詞:橘 凛保 作曲:野澤松也)
・「役者演閻魔大王(やくしゃのえんずるえんまさま)」
熊本県に伝わる民話をもとにしたえんま様と役者の滑稽話を浄瑠璃で
・「広島の希望の花のカンナ」原爆後植物は100年は咲かないと言われていた時に咲いた花にまつわる創作話

(2)トークショー 野澤松也氏の半生と歌舞伎や浄瑠璃の世界についてお話を伺います。

(3)お茶や桜餅を作って食べながら交流タイム♥

(4)高木 礼子フラワーデモンストレーション with 浄瑠璃
マミフラワーデザインスクール熊本高木礼子教室代表の高木さんによる浄瑠璃からインスピレーションを得た即興フラワーアレンジメントデモンストレーション

共催

逢桜の里
~逢桜の里はボラサポ九州のサポートを受けています。~
【WEB】 http://kjinbee.wixsite.com/airanosato
※ボラサポ九州は『赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金・九州」』の略称で、被災地支援活動への助成を継続して実施しています。

協力

花峰館/マミフラワーデザインスクール熊本高木礼子教室

お問い合わせ

内藤 090-9602-2967

 

第2部 浄瑠璃×仏教×アイデアソン!~ホンモノの芸術を体感~Feel the Art! Feel the Innovation!~

参加型の浄瑠璃と仏教のコラボレーションイベントです。(おそらく本邦初w)

日時

2018年4月1日(日)16:30開場
17:00開演 19:00終演 ※希望者は懇親会参加可

会場

香福寺
〒860-0821 熊本市中央区本山4-1-50
【Facebook】 https://goo.gl/vYnSXg
【MAP】 https://goo.gl/maps/3ePeiK39hDQ2

入場料

一般2,000円 学生1,000円

定員

20名

イベント内容

(1)野澤松也氏創作浄瑠璃ライブ
演目
・「五条橋」・・・京の五条橋での牛若丸(後の源義経)と武蔵坊弁慶の出会いの物語
・「役者演閻魔大王(やくしゃのえんずるえんまさま)」・・・熊本県に伝わる民話をもとにしたえんま様と役者の滑稽話

(2)野澤松也氏トークライブ
浄瑠璃の醍醐味、野澤氏の日常と世界観に触れる時間

(3)野澤氏と清水谷 勇哲氏(香福寺副住職)対談
「不変」「普遍」・・・日本文化と仏教の世界の淵を歩く

(4)参加者全員によるアイデアソン
野澤氏からテーマをいただき、テーマについて参加者同士が交流するアイデアソン。永く日本文化に向き合い続けてきた野澤氏と直接つながる機会を創出。

★熊本市駐車場公社芸術文化活動助成事業
http://www.kumamotocity-pf.or.jp/​

お問い合わせ

香福寺 清水谷勇哲  携帯 080-2724-2259
Facebook https://www.facebook.com/YuShi1203

 

主催・運営/復興支援について

[主催]SCB復興期支援プラットフォーム/SCB日本文化とつながる/香福寺/花峰館

本企画 は「浄瑠璃(重要無形文化財)とつながるイベント」として有料で 開催を予定しているが、熊本開催にあたり、熊本地震復興祈念として被災家族を無料にてご招待。

 

創作浄瑠璃ライブ、その展望

本活動は、地域活性化 新理論である地域コミュニティブランド(SCB) 理論に基づき推進しており、この熊本開催を皮切りに、全国各地へと展開を予定しています。「つながる」という企画コンセプトはそのままに、野澤松也による創作浄瑠璃体験を通して、全国各地で新たなコミュニティを広げていくことを展望しています。日本の伝統文化や伝統工芸に触れる機会が減ってしまっている今日だからこそ、浄瑠璃という伝統芸能(そ 中でも敷居を下げた創作浄瑠璃)を入り口に、各地の文化や工芸などとも積極的にコラボレーションし、その魅力を伝承していきます。そして、その体験をきっかけに、伝統文化・工芸へ 関心を深め、土地固有のブランドへと昇華させ、発信していくような、そうした人々が現れることを期待しています。

「SCB 日本文化とつながる」のみなさんより

 

ご参加お申し込み

ご参加お申し込みはこちらの公式ホームページからどうぞ。
https://scbjpn.weebly.com

 

こんな異色のコラボイベントはない!

かなり面白いコラボレーションのイベントなので、説明が長くなってしまったが、個々がすごく面白い人が集まっているし、コンセプトも面白い。そして、面白いだけでなく、超一流の人が集まって開催されるイベントになっている。しかも、熊本で始まりここから全国展開していくイベントという点も要チェックだ!ぜひ!参加して欲しい!

取材者 ライター

中野太助

中野太助

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