【辛島・花畑広場】熊本復興で582枚の絵を防護壁に!Protective Wall海の展覧会12/20~2018年3/31まで

熊本地震からもうすぐ2年を迎えようとしている。熊本に住む人、熊本出身の人、熊本の復興を応援してくれる人など、いろいろな人が支援してくれている。今回も故郷へ貢献しようと素晴らしい企画を立ち上げてくれたのでご紹介。

Protective Wall復興!海の展覧会

Protective Wallってなに?

簡単に言うと、熊本の工事現場の防護壁に子どもたちの絵を貼ってギャラリーにしてしまおうというもの。熊本県内の復興工事現場を子ども達の描いた「海」の絵で埋め尽くし、街を明るく元気にしようと辛島町花畑公園前の防護壁に「海の絵」の展示をする企画だ。

 

どうして企画したの?

きっかけは震災直後の蒲島知事の一言。「熊本は大きな被害を受けたけれど、幸い天草などは被害をそこまで受けなかった。どうにか海からの元気を熊本全体に届けれないか?」ということから始まったという。この言葉を日本財団の「海と日本プロジェクトinくまもと実行委員会」が聞いて、「復興で喘ぐ熊本の街を少しでも明るくしたい」と思い立ち企画したそうだ。

企画から今回の公開まで1年以上の準備期間を経てやっと実現した企画なのだ。

しかも、「ただの防護壁にただ絵を貼るだけでは面白くない。ラミネートで貼るだけの企画は全国的に見かけるけど、それは熊本らしくない。」ということで、子どもたちに描いてもらった絵をきちんとデザイナーさんに再構成したもらったり、長期に雨風にさらされても劣化しないように、特注で専用のシール状のシートにプリントしたという徹底ぶり。

 

ココがスゴイ

普通のこういう企画なら、絵を貼って終わりだ。しかし、熊本の人は一味違う企画を立てる。今回もそうだ!この企画がすごいのは3点!!!

1:子どもたちに描いてもらった画像を使って熊本・天草に伝わる民話を動画に!

現場のQRコードを読み込むと動画が再生される。それが天草に伝わる民話なのだ。しかも子どもたちが描いてくれた絵を使っていることがまた嬉しい!この民話、実はかなり有名な民話らしく日本昔話にも登場したお話らしい。しかし、熊本の人はあまり知らないらしい。

2:動画を見終わると缶マグネットがもれなくもらえる!

動画の最後にオリジナル缶マグネットがもらえる応募企画が告知される。動画は最後まで見た方がいいぞ!

3:外国の人にも見てもらえる!

こういう企画は熊本の人の間で終わることが多いが、この企画は、日本語はもちろん、英語、中国語、韓国語でも案内されている。熊本の復興を明るく乗り越える様を世界に発信しようという意識が垣間見れる!

 

絵はどうやって集めたの?

絵は全部で582枚展示されている。これらの絵は今年(2017年)の8月〜9月で募集したものと、天草のイルカウォッチングの会場やシードナッツなどで、実際のイルカや魚を見た直後に子どもたちに書いてもらうためのワークショップを行って集めたそうだ。

「子どもたちってすごくてね。実際のイルカや魚を見た後には15分くらいなのに躍動感あふれる絵を書いてくれたんだ。子供の感性ってすごいよね!」と今回の責任者が語ってくれた。

 

施工の様子

初めは真っ白な壁

それを綺麗に拭いてから寸法を測る

大の大人が5〜6人がかりで貼っていく!

元々はこんなロール

それをこうやってヘラなどでなぞって丁寧に空気が入らないように貼っていく。

どうしてもボコボコしてしまったところは火で炙ってなじませる

シールを貼るだけじゃなくて、その下の掃除も。

絵を気持ちよく観てもらうにはこれも必要なのだ!

全長約100メートルの展示場が完成!

 

早速見学者が来ていたぞ!

お子さんが描いた絵をたまたま見つけたお父さん

「姪っ子が描いたんだけど・・・どの絵かわからない」ということだったので、責任者のスタッフさんと私とこのお二人で少ない情報の中探した!見事発見!で、記念撮影(笑)

 

 

どこで見れるの?

交通センター(花畑広場向かい)のMICE施設の工事現場の防護壁

 

いつまで見れるの?

2018年3月31日まで

 

取材風景を動画にしてみた

 

街に行ったら見にいこう

この年末年始、熊本市の交通センターに行く機会はいつもよりは増えるだろう。もし近くに行くことがあったらぜひ覗いてみて欲しい。個人的には、この企画、全国的な流れにならないか?と思っている。なぜなら、被災地の防護壁を活用したポジティブな試みで、見る人も企画する人も参加する人もみんな元気になるからだ。しかも、そんな流れを熊本の人が作り出したっていうならなおさらだ!熊本の人の発想は日本を救うのだ!個人的にはそんなことをこの企画に期待しながら取材させていただいた。

ここ熊本から全国に元気が伝わりますように。