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熊本県の特産品「デコポン」の大冒険!果物界・柑橘類の「落ちこぼれ」が天下を取るまでの物語が涙なしには語れない!

2016年6月6日

熊本県は言わずと知れた農業県である。野菜だけでなく、果物などの栽培も盛んで、柑橘類の栽培も盛んな土地でもある。以前に晩白柚という柑橘類も紹介したが、特に、ミカンや夏ミカン、ハッサク、ネーブルなどは全国でトップクラスの出荷量を誇っている。これらは天草諸島や宇土半島の傾斜面で栽培され、太陽の光と海面に反射する下からの光によって、果実にまんべんなく光が当たり、冬場でも温暖な気候が続くので、柑橘類の栽培に非常に適していると言われている。このような環境の所は日本でもそんなに多くはないようだ。そんな柑橘類の中から、誕生秘話と名前がおもしろい「デコポン」を取り上げてみよう。

 

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できそこないのデコポン、天下を取る!

デコポンとは?

デコポンとは、ポンカンの一種で、上記写真のように果実と枝の接合部分が「ボコ」っと隆起している柑橘類の果物の一つだ。味の特徴は甘味が強く、控えめの酸味があり、果皮が厚い割には柔らかく手でも簡単にむくことができる。また、種がほとんどないので、非常に食べやすい。このため全国的に出回っている柑橘類の中でもかなり人気の果物となっている。

デコポンという、変な名前の由来は、やはりあの「ボコ」にある。この「ボコ」の部分は熊本では「デコ」と呼ぼれていて、「デコ」のある「ポンカン」を縮めて「デコポン」と命名されたそうだ。見た目と名前が覚えやすいため、全国的な認知度は高く、人気の柑橘類となっている。しかし、デコポンの本当の正体を知っている人は少ない。

 

「デコポン」の知られざる過去

実は「デコポン」という名前は、彼の本名ではないのだ。彼の本名は「不知火」。これは「しらぬい」と読むのだが、熊本や長崎の不知火海(現:八代海)の辺りで生まれた柑橘類の品種の一つだ。

もともと彼「不知火」が生まれたのは、昭和47年(1973)年、長崎県でのことだった。長崎県の園芸試験場で柑橘系の果物である母:清美と父:ポンカンの間に生まれたのが、彼、そう、「不知火」だった。誕生当時は「キヨポン」という通称で呼ばれていた。しかし、当時の「キヨポン(不知火)」は形が悪く、大きさもバラバラだったため、売り物にはならず廃棄されることが多かった。いわば柑橘類界の「落ちこぼれ」「デキソコナイ」だったのだ。しかし、当時の彼は、この後自分が熊本県で実力を発揮することになるとは夢にも思ってもいなかった。

時を同じくして、熊本県では、柑橘類の農家が苦境に追い込まれていた。1970年代に入りオレンジの輸入が自由化されたのだ。そのあおりを受けて、熊本県特産の甘夏、ハッサク、ネーブルなどの柑橘類の価格が大暴落。農家は生きるか死ぬかの瀬戸際で、もがき苦しんでいたのだった。そこで、農家たちはこの自由化の流れに立ち向かうため、新しい柑橘類果物を模索し始めたのだった。早速、熊本県の不知火農協に試験園がつくられ、全国から200種近い柑橘系果物が集められた。その中に、かつて長崎県で「落ちこぼれ」「デキソコナイ」のレッテルを貼られたキヨポンの姿があった。

 

「デコポン」の快進撃

とはいえ、熊本県の不知火農協に来てもキヨポンの評判は悪かった。個性が強すぎたのである。酸味が強烈過ぎて全く売り物にならなかったのだ。

しかし、タイミングとは恐ろしいものである。偶然が偶然を呼んで奇跡が起こるのだ。当時、熊本県の不知火農協の試験園園長が、ふて腐れて隅に放置されてたキヨポンを見つけたのである。何を思ったか、その園長はふとキヨポンを手に取ると皮をむき始め食べたのである。するとどうだろう、「すっぱくない!!!!」「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!!」と叫んだかどうかはわからないが、酸味が抜け、甘味が増して、あの落ちこぼれのキヨポンだとは思えないくらいの美味だったのだ。そう!キヨポンは放置されることで、自分自身を熟成させ、本来の味を出すのだった。キヨポンは自分自身をあきらめてなかったのだ。これに気づいた不知火農協ではキヨポンという名前を正式に「不知火」とし、特産品として熊本県を上げて栽培を進めていった。

それから時が経ち、平成3年、1991年のことである。「不知火」となった「キヨポン」が初めて東京市場に出荷されたのだ。「不知火」の評判は東京でも高い評価を獲得し、なんと甘夏の4倍もの高値で取引され、25トンもの量が出荷された。しかし、今ではさらに出荷量を伸ばし、全国で2万トン以上もの不知火が出荷されており、彼の実力は証明され、全国でも引っ張りだこの柑橘類になったのだ。

しかし、まだ課題は残っていた。熊本県内で「不知火」の栽培を拡大し進めていく中で、品種名は不知火だったものの、各農家での商品名は統一されていなかった。様々な名前に姿を変えた彼「不知火」は迷走していたのだ。『このままでは全国のファン(消費者)が混乱してしまう』『知名度も上げることができない』ということで、ある一定の条件を設け、その条件を満たした「不知火」だけに『デコポン』というブランド名をつけることにしたのだった。その条件とは、糖度が13度以上、クエン酸が1.1%以下という大変厳しいものだった。しかし、その厳しい条件を受けても、彼「不知火」はあきらめなかった。その条件をクリアし、見事『デコポン』へと昇格したのだった。

 

「デコポン」というブランドの称号

厳しい条件の下、繰り返される検査を無事乗り越え、選ばれしものだけに与えられる称号「デコポン」。その名をついに手に入れた彼「不知火」。彼の快進撃はこれだけでは終わらなかった。1993年7月には、「デコポン」「DEKOPON」という名称の登録商標が認可され、さらに3月1日を「デコポンの日」として制定し、日本記念日協会にも登録されたのだ。

そして、彼の活躍は今も続いている。彼を支える天草諸島や宇土半島の農家と共に。

 

編集後記

「デコポン」を擬人化して書いてみた。わかりにくかったかもしれないが、ご了承いただきたい(笑)

念のため言及しておくが、「デコポン」とは品種の名前ではなく、ブランドの名前だということだ。マンゴーという品種があって、「太陽のたまご」というブランド名があるのと同じなのだ。なので、不知火という品種があって、その中の選ばれしものが「デコポン」になるということだ。今まで私は「デコポン」という品種があるのだと勘違いしていた。きっと全国の皆さんもそう勘違いしていた人は多いのではないだろうか?これからは、「デコポン」を見たらたくさん褒めてあげて欲しい。落ちこぼれのキヨポンが頑張って成り上がったのだから。



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